ガバナンス強化の取り組み(2020年3月期)

基本的な考え方

クリタグループは、「"水"を究め、自然と人間が調和した豊かな環境を創造する」という企業理念のもと、水と環境の分野における事業活動を通じて広く社会に貢献することを目指しています。顧客、取引先、従業員、株主、地域社会といったさまざまなステークホルダーの権利や立場を尊重しその期待に応えながら、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図っていきます。このために、クリタグループは透明・公正かつ迅速・果断な意思決定ならびに実効性の高い経営の監督の実現を目的として、コーポレートガバナンスの確立に努めています。

投資委員会

当社グループの投融資に関する審査機能の強化を図るため、2017年4月より投資委員会を設置しています。投資委員会は、取締役会や経営会議に付議する投融資案件の審査を実施し、審査結果や主要論点を取締役会および経営会議に報告することを役割としています。投資委員会で事前に論点が整理されることで、取締役会や経営会議における議論の質や投資判断のスピードが向上しました。

当社グループは、当社の資本政策に関する「資本コストを上回る親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)を維持するように努める」という方針に従い、投資にあたっては資本コストに投資案件ごとのリスクを加味したハードル・レートを設けて投資判断を行っています。

投資委員会の役割と実績(2020年3月期)

取締役会の諮問機関

指名・報酬諮問会議

当社は、取締役の報酬ならびに取締役・監査役の指名にあたっては、決定プロセスの透明性を高めるため、任意の委員会である指名・報酬諮問会議を設置しています。2020年3月期における開催頻度は、指名4回(取締役、監査役)、報酬3回でした。議長は社外取締役が務めており、中心メンバーは社外取締役および社外監査役となっています。

取締役会議長は、取締役・監査役候補者や取締役報酬について取締役会に提案する際、あらかじめ指名・報酬諮問会議に諮問します。諮問を受けた同会議は、その適否を取締役会に答申します。

指名・報酬諮問会議の概要(2020年3月期)

後継者育成会議

当社は、社長後継者候補、取締役後継者候補、執行役員後継者候補を選定し、育成施策の策定を行う機関として、社外役員を中心とした後継者育成会議を設置しています。同会議では、各後継者候補の対象者に対する外部機関によるアセスメント結果などの客観的情報も参考にしながら、社長後継者候補、取締役後継者候補、執行役員後継者候補の選定ならびに社長後継者候補・取締役後継者候補の育成施策の策定を行い、取締役会に報告します。

2020年3月期は、候補者の対象を従来よりも幅広い階層に拡大する選定プロセスの改善を行いました。

監査役の機能発揮

2020年3月期において、監査役会は11回開催され全監査役がすべてに出席しました。当社の監査役は、監査役会における主な検討事項として、監査方針や監査計画の策定、監査報告書の作成、会計監査人の選定、会計監査人の報酬、定時株主総会への付議議案内容等を討議しました。また監査計画においては、内部統制システム(財務報告に係る内部統制を含む)とリスクマネジメント体制の構築および運用の状況、事業計画の重点施策等の取り組み状況の監査を重点監査項目として設定し活動しました。

会計監査人、内部監査部門、社外取締役との連携

監査役は、監査役全員による代表取締役社長との定例会議においては、経営方針や成長戦略、事業課題等について説明を受けるとともに、監査活動に基づく提言を行っています。また、会計監査人とは、定期的に会合を開き、会計監査人の独立性、職務遂行状況の確認を行うとともに、会計監査について協議し意見交換を行っています。さらに、社外取締役とは定期的に会合の場を設け、経営全般について意見交換を行っています。

監査役は、当社の内部監査を担当する監査室との連携においては、内部監査の計画段階から協議に参加するとともに、監査結果ならびに財務報告に関わる内部統制やリスク管理等の評価についても意見交換を実施しています。

重要な会議への出席とグループ会社の監査

常勤監査役は、取締役会のほか、経営会議およびE&S委員会などの重要な会議に出席し、取締役の職務の執行状況および取締役会の監督義務の履行状況を監査するほか、主要管理部門の監査や事業所、グループ会社の往査を実施し、グループ全体の財産状況調査、グループ会社の取締役による内部統制システムの構築および運用状況の監査を行っています。なお主に常勤監査役が出席した経営会議その他重要な会議の状況ならびに監査および往査の実施状況とその結果については、非常勤監査役と適時に内容を共有しています。また、非常勤監査役は、弁護士としての専門的知見やバックグラウンドを活かして、取締役会や代表取締役社長との定例会等で、積極的に意見を述べています。

新型コロナウイルス感染症の影響については、期初に予定していた国内事業所3拠点の現地実査を中止しましたが、監査証拠資料等の確認に代えることで監査を適切に実施しました。また、事業報告・計算書類等の監査は、オンライン会議や電子ファイルの活用を増やすことにより十分かつ適切に実施しました。

監査役の経験、能力および知識

取締役および監査役の報酬

当社の社外取締役を除く取締役の報酬体系は、基本報酬としての固定報酬と業績結果を反映するインセンティブ報酬で構成されています。監督機能を担う社外取締役と監査役の報酬体系は、固定報酬制のみとしています。

固定報酬については、取締役においては役位別に、監査役においては勤務形態別に定めた額とし、その一部は、取締役・監査役が株主と株価変動リスクを共有するために役員持株会に拠出し、当社株式の取得に充当します。

インセンティブ報酬については、社外取締役を除く取締役に対する継続的な企業価値向上へのインセンティブとなるよう、短期と長期のインセンティブ報酬を定めています。短期インセンティブ報酬は、事業年度の連結営業利益の計画達成率や各自の担当職務の業績に応じて増減する仕組みです。長期インセンティブ報酬は、在任期間中の業績および役位に応じてポイントが付与され、退任時に累積ポイント数に相当する当社普通株式が交付される「業績連動型株式報酬制度」を導入しています。

取締役の報酬体系・水準および業績評価については、あらかじめ指名・報酬諮問会議に諮問した上で取締役会の決議により決定します。各取締役の報酬については、株主総会で定めた総額の範囲内で指名・報酬諮問会議の答申を踏まえて、取締役会で配分を決定します。各監査役の報酬は、監査役会の決議により配分を決定します。

役員報酬制度

固定報酬とインセンティブ報酬の支給割合(平均)

役員報酬

役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数(2020年3月期)

独立社外取締役

当社の社外取締役は、任期が1年、上場会社の兼務は当社を含めて3社までとなっています。社外取締役は、経営に携わった経験の中で培われた見識や専門分野における知見を活かし、クリタグループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図る観点から経営を評価し意見を表明することにより、取締役会の判断の合理性と透明性を高めています。

独立社外取締役の活動状況としては、取締役会において活発な発言や提言を行うだけでなく、E&S委員会、ソリューション推進委員会、安全衛生委員会といった社内委員会へのオブザーバーとしての出席や現場視察を通じて事業理解の深耕に努め、経営の評価に活かしています。

また、社外取締役は指名・報酬諮問会議、後継者育成会議の主要メンバーとなっており、両会議における議論の妥当性と透明性の向上に貢献するほか、役員候補者との個別面談を通じて 候補者選定の妥当性の評価にも努めています。

社外役員の状況(2020年6月29日現在)

株主・投資家との対話

クリタグループは、株主を尊重した経営を志向し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主・投資家の意見に耳を傾け、株主・投資家との建設的な対話の促進に努めています。当社が情報発信にあたって重視するのは、公平性と透明性です。さまざまな説明の場で用いられた資料や質疑応答要旨については、可能なかぎり当社IRサイトに掲載することで、公平な情報開示に努めています。

IRの実績

当社グループは、国内外の機関投資家、国内個人投資家向け に、各種説明会やカンファレンス、個別面談を通じて、対話の機会確保に努めています。会場開催の決算説明会におけるメインスピーカーは社長が務めています。日常的な対話については、沈黙期間を除き、経営管理本部長が責任者となりIRやCSRの担当者が協働して行っています。

2020年3月期におけるIRの実績

議決権行使担当者との対話

当社は、株主の意見に耳を傾けこれを経営の改善に活かしていくため、機関投資家の議決権行使担当者との対話機会の拡充に努めています。2020年3月期には、IR・SR担当者が国内にある大株主と延べ8件の対話の機会を持ち、機関投資家の議決権行使方針ならびに当社グループの経営やコーポレートガバナンスの改善状況に対する意見交換を行いました。聴取した意見や要望は速やかに経営層にフィードバックしています。

継続的な議決権行使の利便性向上の取り組み

政策保有株式

当社は、取引関係の強化などの目的で政策保有株式として上場株式を保有しています。保有する株式ごとに、資本コストに基づく期待収益と株式の保有から得られる収益とを比較し経済合理性を検証するとともに、保有先との取引実績を精査することで取引先との関係性を検証しています。この結果に基づき、取締役会において定期的または適時に保有の適否を見直し、保有株式の縮減を図っています。2020年3月期においては、28銘柄のうち2銘柄を売却し、売却によって得られた資金は設備投資やM&Aに振り向けられています。