ガバナンス強化の取り組み(2019年3月期)

基本的な考え方

クリタグループは、「"水"を究め、自然と人間が調和した豊かな環境を創造する」という企業理念のもと、水と環境の分野における事業活動を通じて広く社会に貢献することを目指しています。顧客、取引先、従業員、株主、地域社会といったさまざまなステークホルダーの権利や立場を尊重しその期待に応えながら、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図っていきます。このために、クリタグループは透明・公正かつ迅速・果断な意思決定ならびに実効性の高い経営の監督の実現を目的として、コーポレートガバナンスの確立に努めています。

取締役および監査役の報酬

当社の社外取締役を除く取締役の報酬体系は、基本報酬としての固定報酬と業績結果を反映するインセンティブ報酬で構成されています。監督機能を担う社外取締役と監査役の報酬体系は、固定報酬制のみとしています。固定報酬は、取締役においては役位別に、監査役においては勤務形態別に定めた額とし、その一部は、取締役・監査役が株主と株価変動リスクを共有するために役員持株会に拠出し、当社株式の取得に充当します。

社外取締役を除く取締役に対する継続的な企業価値向上へのインセンティブとなるよう、短期と長期のインセンティブ報酬を定めています。短期インセンティブ報酬は、事業年度の連結営業利益の計画達成率や各自の担当職務の業績に応じて増減する仕組みです。長期インセンティブ報酬は、在任期間中の業績および役位に応じてポイントが付与され、退任時に累積ポイント数に相当する当社普通株式が交付される「業績連動型株式報酬制度」を導入しています。

取締役の報酬体系・水準および業績評価については、あらかじめ指名・報酬諮問会議に諮問した上で取締役会の決議により決定します。各取締役の報酬については、株主総会で定めた総額の範囲内で指名・報酬諮問会議の答申を踏まえて、取締役会で配分を決定します。各監査役の報酬は、監査役会の決議により配分を決定します。

役員報酬制度

固定報酬とインセンティブ報酬の支給割合(平均)

独立社外取締役

当社の社外取締役は、任期が1年、上場会社の兼務は当社を含めて3社までとなっています。独立社外取締役は、経営に携わった経験の中で培われた見識や専門分野における知見を活かし、クリタグループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図る観点から経営を評価し意見を表明することにより、取締役会の判断の合理性と透明性を高めています。

独立社外取締役の活動状況としては、取締役会や指名・報酬諮問会議、後継者育成会議において活発な発言や提言を行うだけでなく、E&S委員会、ソリューション推進委員会、安全衛生委員会といった社内委員会へのオブザーバーとしての出席や、現場視察を行うことで、事業の理解にも努め、経営の評価に活かしています。

2019年6月に田中径子氏を社外取締役として迎え、社外取締役は3名となりました。田中径子氏には、当社グループと異なる事業分野における経験と、広報やマーケティングへの深い造詣や国際経験を活かし、社外の視点から意見を述べることを期待しています。

執行役員制度の改定

業務執行力の強化を目的として2005年6月から執行役員制度を導入し、2019年6月27日現在、執行役員8人を選任しています。2019年3月期には、執行役員制度を改定し、従来は従業員としての雇用契約だったものを、1年ごとの委任契約に変更しました。当社は、継続的に執行役員の業務執行機能の強化を図っていきます。

取締役会の諮問機関

指名・報酬諮問会議

当社は、取締役の報酬ならびに取締役・監査役の指名にあたっては、決定プロセスの透明性を高めるため、任意の委員会である指名・報酬諮問会議を設置しています。2019年3月期における開催頻度は、指名2回(取締役、監査役)、報酬1回でした。議長は社外取締役が務めており、中心メンバーは社外取締役および社外監査役となっています。

取締役会議長は、取締役・監査役候補者や取締役報酬について取締役会に提案する際、あらかじめ指名・報酬諮問会議に諮問します。諮問を受けた同会議は、その適否を取締役会に答申します。

指名・報酬諮問会議の概要(2019年3月期)

後継者育成会議の設置

2018年3月期の取締役会の実効性評価結果に基づく「取締役後継者の選任に関し、より踏み込んだ議論を行う必要がある」という課題を踏まえ、2018年5月から、社長後継者候補、取締役後継者候補、執行役員後継者候補を選定し、育成施策の策定を行う機関として、社外役員を中心とした後継者育成会議を設置しました。同会議では、各後継者候補の対象者に対する外部機関によるアセスメント結果などの客観的情報も参考にしながら、社長後継者候補、取締役後継者候補、執行役員後継者候補の選定ならびに社長後継者候補の育成施策の策定を行い、取締役会に報告します。

(2019年3月期)

投資委員会

当社グループの投資・融資に関する審査機能の強化を図るため、2017年4月より投資委員会を設置しています。投資委員会は、財務管理責任者である経営管理本部の副本部長を委員長とし、管理部門系の主要部署の責任者により構成されています。取締役会または経営会議に付議する投資・融資案件の審査を実施し、審査結果や主要論点を取締役会および経営会議に報告することを役割としています。投資委員会での事前審査により論点が整理されることで、取締役会や経営会議における議論の質や投資判断のスピードが向上しました。

当社グループは、当社の資本政策に関する「資本コストを上回る自己資本当期純利益率(ROE)を維持するように努める」という方針に従い、投資にあたっては資本コストに投資案件ごとのリスクを加味したハードル・レートを設けて投資判断を行っています。

投資委員会の役割と実績(2019年3月期)

政策保有株式

当社は、取引関係の強化などの目的で政策保有株式として上場株式を保有しています。保有する株式ごとに、資本コストに基づく期待収益と株式の保有から得られる収益とを比較し経済合理性を検証するとともに、保有先との取引実績を精査することで取引先との関係性を検証しています。この結果に基づき、取締役会において定期的または適時に保有の適否を見直し、保有株式の縮減を図っています。2019年3月期においては、37銘柄のうち部分売却を含む13銘柄を売却し、売却によって得られた資金は設備投資やM&Aに振り向けられています。

上場株式の政策保有について

中期経営計画の方針に沿い、売却により資本効率の向上へ

情報開示方針の改定

2018年4月の金融商品取引法の改定いわゆるフェア・ディスクロージャー・ルールが導入されたことに伴い、当社の情報開示方針を改定しました。改定においては、情報開示の目的、重要情報の取り扱い、情報開示の公平性を確保するための体制などを明文化しました。また同時に、情報開示の実務における社内マニュアルも整備しました。これを機に、投資家への公平かつ適時な情報開示を確保するとともに、行き過ぎた公平性確保により情報開示の委縮が生じることないよう努めていきます。