社長メッセージ

ステークホルダーの皆様へ

社長メッセージ

栗田工業株式会社
代表取締役社長 門田 道也

 2017年3月期は、クリタグループにとり、変革への想いを強くした年となりました。
 グローバリズムや技術革新がもたらした格差問題が、世界の政治情勢を不安定にするだけでなく、現状の資本主義のあり方にも影響を及ぼしています。また、IoTやAIといった技術の急速な進歩は、産業構造や人々の働き方にも変化を促しています。
 このように激しく変化する経営環境の下では、クリタの現状のビジネスモデルも決して安泰ではないという危機感を抱かざるを得ません。また企業行動の面でも、より環境や社会に配慮したものに変わっていかなければなりません。
 昨年の社長就任に当たっては、企業理念の実現を通して社会の発展に貢献し、ステークホルダーの皆様から信頼をいただける存在になることをめざすとお話ししましたが、企業理念にこだわり、自己の強みをさらに強化していくためにも、主体的な自己変革が必要であると感じています。今後も、グローバルに通用する価値観やビジネスの仕組みの構築をめざし、クリタのアイデンティティを大切にした変革を進めていきたいと考えています。
 株主様はじめステークホルダーの皆様には、クリタの変革に対し一層のご理解とご支援をいただきますようお願い申しあげます。

社長インタビュー

Q. 2018年3月期 第2四半期の連結業績を、どのように評価していますか?

A. 当第2四半期の業績は堅調に推移しました。水処理薬品事業は、米国で2017年1月に買収したフレモント・インダストリーズ, LLCを当期から新規に連結したことに加え、国内においてもお客様の工場操業度が回復したことで主力商品が伸び、受注高・売上高が増加しました。水処理装置事業は、旺盛な半導体需要を背景に、日本を含む東アジアで設備投資が活発化し、電子産業向けの水処理装置の受注高が想定以上に伸長しました。売上高についても前期に受注した案件の工事進捗に加え、水処理設備の老朽化対応や増産対応のメンテナンスが増加し、増収となりました。利益については、増収の効果に加え、水処理装置の工程管理や原価管理を徹底したことで収益性の改善が進み、営業利益が増加しました。また、政策保有株式の売却や実効税率の低下により、親会社株主に帰属する四半期純利益が増加しました。

Q. 中期経営計画「CK-17(Competitive Kurita 2017)」の最終年度における、ここまでの取り組みについて聞かせてください。

A. 現在、クリタグループは、海外事業とサービス事業を成長分野と位置付け、さまざまな取り組みを推進しています。
当期において、まず海外事業については、クリタ・ヨーロッパGmbHの紙・パルプ向けプロセス薬品の生産能力増強のため、フランスのボルドー近郊にあるAkzo Nobel社の工場取得を決定しました。欧州における最先端商品の生産による競争力の向上と収益性の改善を狙ったものです。当社グループは引き続き、グローバルな事業基盤の強化に取り組むことにより、着実に成長の機会を捉えていきたいと考えています。
次に、国内外におけるソリューション提供の基盤強化に向けて、2017年4月より新たな事業組織をスタートさせています。
従来、水処理薬品事業と水処理装置事業に分かれていた組織を、海外では一人の取締役が統括責任を持った組織としました。また国内においては、事業に共通点の多い水処理薬品とメンテナンスの事業運営体制を一体化し、双方のノウハウを融合したソリューションを提供できる体制としました。縦割り組織の弊害を取り除くことにより、水処理薬品と水処理装置にメンテナンスを加えた総合的なサービスを、高い品質で提供することをめざしています。

Q. 中長期の視点から、何をめざしていますか?

A. グローバル化と技術革新が進む変化の激しい環境において、当社グループの成長を持続的なものにするためには、これまでの仕事のやり方や企業文化を能動的に変革し、環境変化に耐えうる企業体質を構築していく必要があると考えています。事業面では、中長期的に収益の柱となり得る新たなビジネスモデルの開発に取り組んでいます。有望分野として、水処理薬品と水処理装置の技術・ノウハウを融合した標準型システムという新たなツールを活用した排水回収リサイクルや節水ソリューションといった事業分野に注力しています。
また、当社グループが長期的な成長をめざすためには、社会が持続的であることが前提です。当社グループはこの問題意識に基づき、社会・環境問題に対してグローバルな規範を意識した経営をめざしていきます。社会の中で企業が果たすべき役割が大きくなる状況において、CSR課題に取り組みリスクを低減することにより、グループとしての企業価値を高めるのはもちろん、当社グループが保有する技術を用いて、持続的な社会の実現に向けた課題の解決に貢献していきたいと考えています。

Q. 資本効率の向上施策と株主還元の方針について聞かせてください。

A. 当社グループは、持続的な成長のため、株主の皆様から託された内部留保を、有望な事業分野への投資に最優先に振り向けたいと考えています。資本効率向上に向け、投資規律を守ると同時に、資本構成の適正化を図り、1株当たり利益の安定的な成長を実現したいと考えています。
当期の中間配当は、株主の皆様のご期待に応えるため、前年同期比1円増の1株当たり26円とさせていただきました。株主の皆様には、今後も変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申しあげます。

2017年11月