ガバナンス強化の取り組み

主に2016年3月期におけるガバナンス強化の取り組みは以下の通りです。

取締役会の監督機能強化

当社は、取締役会をクリタグループの持続的な成長に資する戦略的な方向付けと、その方向付けを踏まえた重要な業務執行に係る事項の決定および業務執行の監督を行う機関と位置付けています。2016年3月期においては、取締役会が重要事項を重点的に議論することでその機能をより発揮できるように、取締役会が判断・決定する範囲と経営陣幹部に委任する範囲を見直しました。すなわち、取締役会は、経営政策・方針に関する事項、経営計画の戦略・目標・重点施策、重要な投融資や事業譲渡などの重要な業務執行について決定し、重要なものを除く業務執行については、経営陣幹部で構成する経営会議に決定を委ねるというものです。この見直しにより、取締役会において議論すべき事項が整理され議論の活性化につながりましたが、取り組みはまだ途上であり、取締役会のさらなる機能強化に向けて、取締役会から業務執行者への権限移譲をさらに進めていく予定です。

社外取締役の増員

当社は、2015年6月の株主総会において、社外取締役を1名から2名に増員しました。2013年6月の中村清次氏の社外取締役就任以来、取締役会の議論が活性化した実績を評価し、さらなる取締役会の独立性と客観性を確保するためには社外取締役の増員が有効と判断し、新たに森脇亞人氏の就任に至ったものです。
クリタグループが社外取締役の役割として期待することは、経営に携わった経験の中で培われた確かな見識と経営感覚を活かし、より長期的な視点から意見を表明することです。また同時に、独立した立場から取締役候補者の指名や取締役の報酬その他取締役会の重要な意思決定において忌憚のない意見を表明することを期待しています。
当社は、さらなる取締役会の機能強化をめざしており、社外取締役の増員についても引き続き検討していきます。

独立性社外取締役の独立性の判断基準

独立性社外取締役候補者選定における独立性の判断基準は、独立性社外取締役候補者本人またはその近親者※1が次の各号に該当しないこととします。

  1. 現在および過去10年以内の、当社または当社の子会社の業務執行者
  2. 現在および過去1年以内に、当社を主要な取引先とする者※2またはその業務執行者
  3. 現在および過去1年以内の、当社の主要な取引先※3またはその業務執行者
  4. 現在および過去1年以内の、当社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家、法律専門家
  5. 現在の、当社の主要株主※4またはその業務執行者
  6. 現在、社外役員の相互就任の関係にある先の業務執行者(ただし本人のみ)
  7. 現在、当社が寄付を行っている先の業務執行者(ただし本人のみ)
  • ※1「近親者」とは、二親等以内の親族をいいます。
  • ※2「当社を主要な取引先とする者」とは、当社との取引における売上高が当該取引先の売上高の10%以上を占めるものをいいます。
  • ※3「当社の主要な取引先」とは、当該取引先との取引における売上高が当社の連結売上高の2%以上を占めるもの、または当該取引先からの借入金額が当社連結総資産の1%以上を占めるものをいいます。
  • ※4「当社の主要株主」とは、当該株主の保有する議決権が当社議決権の10%以上を占めるものをいいます。

指名・報酬諮問会議の新設

当社は、2015年10月に指名・報酬諮問会議を設置しました。同会議は、取締役社長、社外取締役2名、常勤社外監査役1名で構成され、取締役候補者、代表取締役候補者、役付取締役候補者を取締役会に提案する際、あらかじめ同会議に諮問し、その適否を答申する仕組みとしています。
取締役・監査役の報酬を決定する手続きにおいても、取締役・監査役の報酬体系・水準および取締役の業績評価について取締役会に提案する際、あらかじめ同会議に諮問し、その適否を答申します。
このような手続きの新設は、従来取締役社長に一任されていた範囲を見直し、決定プロセスの透明性を改善しようとする試みです。今後、手続きの運用を通じた透明性改善の実効性を見極めながら、必要に応じてさらなる仕組みの変更も検討していきます。

役員報酬制度の見直し

2016年3月期における当社の役員報酬体系は、基本報酬を基準年俸額と業績連動額から構成すると同時に、基準年俸額の一定割合を役員持株会に拠出し当社株式の取得に充当するというものでしたが、業績連動部分の比率が低いものでした。
役員報酬制度については、2015年10月の当社「コーポレートガバナンスに関する方針」制定時に、「固定報酬の比率を下げ、業績連動によるインセンティブを高める必要がある」との問題意識を確認しており、2016年2月の取締役会において、業務執行を担う取締役について役員報酬に占める業績連動部分の割合を高める形に制度を改定しました。この改定では同時に、監督機能を担う社外取締役や監査役については業績連動をやめるなど、役員報酬体系の適正化を図ったことに加え、役員報酬の構成、評価基準、算出方法を詳細に規定し、役員報酬決定の透明性の向上を図っています。さらに、同年4月の取締役会では長期のインセンティブとして退職時に株式を交付する「業績連動型株式報酬制度」の導入を決議しました。
これらの制度改定は同年6月の株主総会で承認され、新制度がスタートしています。

資本効率に関する方針の明確化

クリタグループは、長年にわたる株主・投資家との対話の中で、資本効率と株主還元に関わる議論を行ってきました。この背景を踏まえ、2015年10月に制定したクリタグループの「コーポレートガバナンスに関する方針」の中で、資本政策に関する方針を明確にしました。
方針の内容は、クリタグループが資本コストを上回る自己資本当期純利益率(ROE)の維持に努めることと、配当性向が最近5年間の通算で30~50%の範囲に収まる限り増配を継続するというものです。資本コストを上回るROEの維持は株式会社として最低限の義務と捉え、内部留保を有望な事業投資に振り向けると同時に適切に株主に還元することにより、さらなるROEの向上に努めていきます。

政策保有株式

当社は、取引関係強化のため政策保有株式として上場株式を保有することがあります。上場株式を保有するリスクを最小化するため、保有先との関係性と保有リスクの検証を定期的または必要に応じて適時に行い、取締役会において保有の適否を継続的に見直していきます。
また、政策保有株式の議決権の行使にあたっては、当社の株主価値増大に資するかどうかの観点から、議案ごとに賛否の判断を行います。