ガバナンス強化の取り組み

クリタグループは、企業理念のもと、持続的な成長と企業価値の向上に向けて、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定と実効性の高い経営の監督の実現を目的として、コーポレートガバナンスの強化に努めています。2017年3月期においても、継続的にさまざまなガバナンス改革に取り組みました。

取締役会の機能強化

2016年3月期に実施した取締役会の実効性評価においては、より長期の目標設定や戦略立案といった重要事項について重点的に議論できる形に取締役会を強化することを課題と捉えました。これを受けて当社の取締役会は、2017年3月期において、指名委員会等設置会社や監査等委員会設置会社への移行について議論すると同時に、業務執行体制の改善の方向性や取締役会における決議事項の妥当性についての議論を行いました。
この結果、機関設計の変更については、現状は監査役制度が有効に機能していると評価する一方、今後も継続的に検討することとしました。また、取締役会において重要事項を重点的に議論できるよう、決裁権限の一部を取締役会から経営陣幹部で構成する経営会議や事業部門に移譲すると同時に、取締役会における業務執行状況の報告事項の削減を具体化しました。2017年4月からは、投資案件に関し取締役会での議論に先立ち事業戦略や財務面の検討や審査を行う投資委員会を設置し、取締役会における議論の実効性確保を図っています。

取締役会の規模と構成

取締役の人数は3名以上とし、そのうち2名以上を社外取締役で構成することで、取締役会の独立性と客観性を確保しています。2017年6月29日現在の取締役会の員数は10名で、うち2名が社外取締役です。取締役会は、業務執行に対する監督機能を発揮するため、各事業分野のほか、経営企画、財務・会計、法務、技術などの高い専門性を有する人材で構成し、取締役会全体で意思決定に必要な知識・経験を補完する体制としています。取締役の任期については、経営環境の変化に対する経営体制の見直しを柔軟に行いやすくするために1年としています。

取締役会の継続的な変革(2016年4月~2017年6月末)

指名・報酬諮問会議の設置

当社は、取締役の報酬ならびに取締役・監査役の指名にあたっては、決定プロセスの透明性を高めるため、任意の委員会である指名・報酬諮問会議を設置しています。中心メンバーは社外取締役と社外監査役であり、役員候補者や報酬について諮問を受け、その適否を取締役会に答申しています。今後も、運用を通じて透明性改善の実効性を検証していきます。

指名・報酬諮問会議の概要(2016年4月~2017年6月末)

  • 役職は2017年4月以降の名称で記載しています。

社外取締役の活動状況および選任理由

クリタグループが社外取締役の役割として期待することは、経営に携わった経験の中で培われた見識や専門分野における知見を活かし、社内にはない視点から経営をチェックすることにより、取締役会の判断の合理性と透明性を高めることです。
2013年6月に中村清次氏が社外取締役に就任以来、取締役会の議論が活性化したことを評価し、2015年6月に森脇亞人氏が就任、社外取締役は2名となりました。両名は取締役就任以来、活発に意見を述べるだけでなく、取締役会の機能強化についても幅広く提言を行っており、取締役会もそのいくつかを採用してきました。
当社においては、社外取締役に社外の新鮮な目からの意見や指摘を期待していることから、重任限度の目安を4年としています。2017年6月には、中村清次氏が任期を終え退任となり、代わって環境・廃棄物の専門家である杉山涼子氏が就任しました。

監査役制度の採用

当社は監査役設置会社であり、現在、監査役は3名で、うち2名は社外監査役です。各監査役は、取締役の職務の執行状況および取締役会の監督義務の履行状況を監査するほか、子会社も含めたクリタグループ全体の財産状況の調査、取締役による内部統制システムの構築および運用状況の監査を行っています。また各監査役は、取締役会や経営会議など重要な会議に出席し、取締役の職務執行を監査しています。

内部監査・会計監査ならびに会計監査人との適正な連携

当社は、業務執行部門から独立した内部監査部門として、社長直轄の監査室を設けています。監査室は、グループ各社を含めた内部監査を実施し、業務執行上の課題や問題点の把握を行い、社長に改善策を提言しています。
また、会計監査については、太陽有限責任監査法人に監査を委嘱しています。会計監査人については、当社の監査役会が候補者を指名するとともに、選任および解任ならびに不再任の議案の内容を決定します。また、監査役、監査室および会計監査人は、相互に監査計画や懸念事項を共有することにより、連携を図っています。

取締役・監査役の報酬制度

当社の社外取締役を除く取締役の報酬体系は、基本報酬としての固定報酬と業績結果を反映するインセンティブ報酬で構成しています。監督機能を担う社外取締役と監査役の報酬体系は、固定報酬制としています。固定報酬は、取締役においては役位別に、監査役においては勤務形態別に定めた額とし、その一部は役員持株会に拠出し当社株式の取得に充当しています。インセンティブ報酬は、年度事業計画の達成度や各自の担当職務に対する評価に応じた短期インセンティブ報酬と、在任期間中の業績と役位に応じた長期インセンティブ報酬で構成しています。2016年6月から、社外取締役を除く取締役に対して、報酬に占める業績連動部分の割合を高めるとともに、長期インセンティブとして退任時に株式を交付する業績連動型株式報酬制度を導入しました。株価の変動による利益やリスクを株主の皆様と共有することにより、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上への貢献意欲を高めることを目的としたものです。

役員報酬制度の変更

投資の規律について

当社グループは投資にあたり、当社の資本政策に関する「資本コストを上回る自己資本当期純利益率(ROE)を維持するように努める」という方針に沿って、資本コストに投資案件ごとの個別リスクを加味したハードル・レートを設定することにより投資の採算性を評価し、投資判断を行っています。

政策保有株式について

当社は、取引関係の強化などの目的のため政策保有株式として上場株式を保有することがありますが、保有する株式ごとに経済合理性と保有リスク、ならびに保有先との関係性を定期的または必要に応じて適時に検証し、保有の適否を見直しています。2017年3月期においては、取締役会決議を経て2銘柄の売却を決定し、2016年3月期に売却を決定した1銘柄と合わせて3銘柄を売却しました。