ガバナンス強化の取り組み

基本的な考え方

クリタグループは、顧客、取引先、従業員、株主、地域社会といったさまざまなステークホルダーの権利や立場を尊重しその期待に応えながら、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図っていきます。このために、クリタグループ透明・公正かつ迅速・果断な意思決定ならびに実効性の高い経営の監督の実現を目的として、コーポレートガバナンスの確立に努めていきます。

取締役会の継続的な変革

当社では、全取締役・監査役が取締役会の実効性の分析・評価を行い、取締役会において評価結果を審議し、コーポレートガバナンスのさらなる強化に向けた施策を検討しています。
2016年1月から12月までの取締役会の実効性評価においては、以下の3点が課題とされました。

  • 長期的な企業価値向上に向けた事業戦略や、長期的な成長につながる環境・社会との関わりに関し、全社的により踏み込んだ議論を行う必要がある。
  • 取締役会における議論をより質の高いものに集中させるため、取締役会に付議する内容の事前審査を強化し、検討の精度を向上する必要がある。
  • 株主との対話に関して、一貫したテーマ・メッセージを取締役会として共有する必要がある。

これに対し、2018年3月期においては以下の取り組みを行いました。

  • 企業ビジョンの再定義、企業理念の意義の見直しに加え、企業理念を起点とした理念体系を刷新するとともに、CSRを経営戦略の中核に位置付け、CSRの重点領域を特定した上で2030年を目標年次とする「CSRに関する方針」を制定するなど、経営環境の変化を踏まえ今後のクリタグループの中長期的成長に向けた方向性を明確化した。
    また、次期中期経営計画の対象期間を従来の3ヵ年から5ヵ年に変更し、中長期のありたい姿から捉えた高い目標とその実現に向けた挑戦的な施策からなる計画策定に取り組んだ。
  • 投資案件に係る取締役会決議および経営会議決裁に先立つ社内専門家による事前審査機関として投資委員会を設立し、審査体制を強化することで、取締役会、経営会議における議論を対象案件の戦略的意義に集中化した。
  • 取締役会でIR・SR活動の活動方針を定め、活動方針に則して株主・投資家との直接対話や株主・投資家への情報開示を進めるとともに、IR・SR活動における具体的な対話の実績を取締役会メンバーが確認できる仕組みの運用を強化した。

上記以外の取り組みとして、取締役会における多様性を確保するために2017年6月に女性の社外取締役を選任しました。また、経営陣のトレーニングとして、CSV経営や危機管理・コンプライアンスなどをテーマとした勉強会を開催するとともに、社外取締役には、当社事業をより深く理解してもらうための現場視察や勉強会を実施しました。
さらに株主との対話充実に向けて、招集通知におけるコーポレートガバナンスの取り組みの記載を充実しました。

取締役・監査役の報酬制度

当社の社外取締役を除く取締役の報酬体系は、基本報酬としての固定報酬と業績結果を反映するインセンティブ報酬で構成しています。監督機能を担う社外取締役と監査役の報酬体系は、固定報酬制としています。固定報酬は、取締役においては役位別に、監査役においては勤務形態別に定めた額とし、その一部は役員持株会に拠出し当社株式の取得に充当しています。
インセンティブ報酬は、年度事業計画の達成度や各自の担当職務に対する評価に応じた短期インセンティブ報酬と、在任期間中の業績と役位に応じた長期インセンティブ報酬で構成しています。2016年6月から、社外取締役を除く取締役に対して、報酬に占める業績連動部分の割合を高めるとともに、長期インセンティブとして退任時に株式を交付する業績連動型株式報酬制度を導入しました。株価の変動による利益やリスクを株主の皆様と共有することにより、クリタグループの持続的な成長と企業価値の向上への貢献意欲を高めることを目的としたものです。

役員報酬制度

指名・報酬諮問会議

当社は、取締役の報酬ならびに取締役・監査役の指名にあたっては、決定プロセスの透明性を高めるため、任意の委員会である指名・報酬諮問会議を設置しています。中心メンバーは社外取締役と社外監査役であり、役員候補者や報酬について諮問を受け、その適否を取締役会に答申しています。2018年3月期においては、名誉顧問の廃止を取締役会に答申するなど、今後も、運用を通じて透明性改善の実効性を検証していきます。

指名・報酬諮問会議の概要(2018年3月期)

社外取締役の活動状況および選任理由、独立性の判断基準の改定

当社が社外取締役の役割として期待することは、経営に携わった経験の中で培われた見識や専門分野における知見を活かし、社内にはない視点から経営をチェックすることにより、取締役会の判断の合理性と透明性を高めることです。

2015年6月に就任した森脇亞人氏に加え、2017年6月に環境・廃棄物の専門家である杉山涼子氏を社外取締役として迎えました。両名は、活発に意見を述べるだけでなく、取締役会の機能強化についても幅広く提言を行っています。中期経営計画の策定にあたり、若手社員が、クリタグループの未来戦略を提案するジュニアボードの設置を提言し、取締役会もこれを採用しました。

また、2018年3月期においては、独立性の判断基準をより厳格化しました。判断基準の1つである「現在および過去1年以内に、当社を主要な取引先とする者またはその業務執行者」について、これまで当社からの売上高が当該取引先の売上高に占める割合の「10%以上」に該当する者を「主要な取引先とする者」としてきましたが、「連結売上高の2%以上」に見直しました。
さらに、「現在および過去1年以内に、当社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家、法律専門家」という判断基準について、「多額の金銭その他の財産」には明確な基準がなかったため、年間1,000万円以上という基準を設定しました。

投資委員会の設置

投資委員会は2017年4月に設置され、2018年3月期においては、財務管理責任者であるグループ管理本部本部長補佐を委員長とし、そのメンバーは管理部門系の主要部署の責任者により構成されました。投資委員会の役割は、取締役会、経営会議に付議する投資・融資案件の内容を審査し、その審査結果に主要な論点を添えて、取締役・監査役に報告することを役割としており、2018年3月期においては21案件を審査しました。
投資委員会での事前審査により論点が整理されることで、取締役会・経営会議における議論の質の向上をもたらしています。

投資委員会の役割と実績(2018年3月期)

投資の規律について

クリタグループは投資にあたり、当社の資本政策に関する「資本コストを上回る自己資本当期純利益率(ROE)を維持するように努める」という方針に沿って、資本コストに投資案件ごとの個別リスクを加味したハードル・レートを設定することにより投資の採算性を評価し、投資判断を行っています。

政策保有株式について

当社は、取引関係の強化などの目的のため政策保有株式として上場株式を保有しています。保有する株式ごとに経済合理性と保有リスク、ならびに保有先との関係性を定期的または必要に応じて適時に検証し、保有の適否を見直しています。2018年3月期においては、取締役会決議を経て9銘柄を売却しました。